八ヶ岳高原音楽堂でのチェンバロコンサート

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八ヶ岳高原音楽堂でのチェンバロコンサート

デザイン探訪記,ブログ

2021/10/19 八ヶ岳高原音楽堂でのチェンバロコンサート

9月半ばに八ヶ岳高原音楽堂へ行ってきました。

 

八ヶ岳高原音楽堂は著名な建築家・吉村順三さんが設計したコンサートホール。八ヶ岳の森の中にあります。以前から行ってみたかったのですが、ようやく念願叶って足を運ぶことができました。

 

同じエリアには八ヶ岳高原ロッジというホテルがあり、そこと音楽堂とは散策路で結ばれています。

 

最寄りの駐車場に停めて、散策路を歩いてくると、徐々に音楽堂のシルエットが・・。

 

おおらかな屋根に覆われた、大地に根ざした佇まい。こんな音楽堂は滅多にないと思います。(通常、コンサートホールといえば、もっと大規模な建築ですよね・・)

 

 

エントランスから入って・・

 

ホワイエを横切っていくと・・・

 

ホールが見えてきます。

 

ホールに入ると、段を数段下りていく感じ。ホール全体を眺めながら、徐々に下りていくこの感じがとてもいいです。そして、この木質感。素敵な空間です。

 

席数はわずか250席なので、とてもアットホームな感じ。ぜいたくなホールです。そして、ステージの向こうに森が見える・・・こんな環境でコンサートを聴くのはとても新鮮です。こういった開放感のあるところで聴くコンサートは聴き手も疲れず、リラックスして過ごせるものだと感じました。

 

ホール周長のおよそ半分程度はガラス建具。

 

木製建具で風合いが良く、ホールの用途によっては開放して使えるようです。

 

さて、この日は演目はチェンバロコンサート。バロックから現代まで幅広い曲を楽しませていただきました。(ちなみに最後の曲は私の大好きなバッハのイタリア協奏曲でした!)

ここのチェンバロは地元、八ヶ岳の森で伐採したカラマツを使って製作したもの。通常、チェンバロはカエデ、シナノキ、ポプラ、クルミ、ナラといった広葉樹(堅木)を使いますが、ここで使われているカラマツは針葉樹で、比較的柔らかい木です。

そのためか、音もしっとりした柔らかい音に感じました。

 

ホールの壁面は板張りの隙間に吸音材が入れてあります。全体としてガラス壁が多いためか、残響はやや長め。でもその響きがとてもきれいなホールです。そのため、余韻が大切なチェンバロにはピッタリのホールだと感じました。

 

客席椅子は吉村さんがこのホールのためにデザインしたという有名な「たためる椅子」。実用性と美しさを兼ね揃えた椅子です。

 

 

木製の照明器具。この音楽堂の六角形プランにマッチしたデザインになっています。

 

帰り際のホワイエ。開園時はオープンだった出演者通路上部が障子で閉じられています。この障子のデザインも30度単位の角度のついた組子となっていて、この音楽堂にマッチしていますね。

 

豊かな自然の中で音楽を聴くことができる八ヶ岳高原音楽堂。穏やかな時間を楽しむことができました。ぜひまた訪れたいと思います。

 

 

新井崇文
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