中庭のある家~プライバシーと開放性を両立する手法とは?

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中庭のある家~プライバシーと開放性を両立する手法とは?

デザイン住宅コラム,ブログ

2020/06/02 中庭のある家~プライバシーと開放性を両立する手法とは?

「緑豊かでいいお庭だな・・・でも窓辺は日中からカーテンが閉められている・・・」

住宅地を歩いていて、しばしば目にする光景です。

きっと道路や隣家からの視線が気になるのでしょう。昼間でもカーテンを閉めざるをえないため、せっかくのお庭の景色や開放感を室内から十分に楽しめない・・・こういったケースはよくあることです。

よほど広い敷地や自然の中の一軒家であるケースば別として、住宅地で一般的な規模の敷地に建てる住宅であれば、道路や隣家からの視線はたいてい気になるものです。「でも、できれば日中はカーテンなど開け放って、室内と庭が連続した開放的な空間で暮らしたい。庭の鮮やかな緑も美しく眺めたい。」・・・そこで、道路や隣家からの視線をどのようにカットするか、いかにプライバシーと開放性を両立させるか、ということが設計上の課題となってきます。本コラムでは、中庭のある家を中心に、私が設計を手掛けた住宅をご紹介しながら、敷地ごと、どのようにそれらの課題を解決したかの事例をご紹介していきたいと思います。

 

 

事例1(朝霞の家)

「南側に3階建ての隣家がせまっていて日照や眺望が期待できない反面、道路のある西側は隣家も遠く、開けている」という敷地状況から、コの字型平面の建物で囲い込まれた中庭を形成し、唯一開かれた西側には高さ2m程の板塀を配して、道路からの視線をカットしました。

中庭はプライバシーが確保された空間ですので、日々の生活で気軽に出たり、ティータイムやバーベキューをしたり、住まい手も様々な使い方をして楽しんでいるようです。

 

 

 

事例2(荏田町の家)

東西は隣家がせまっている敷地状況から、L字型平面の建物と、L字型に配した目隠し壁及びルーバーにより、囲い込まれた中庭を形成しています。

 

道路のある南側は1.2m程度の高低差で敷地側が高いため、比較的開放感のある木ルーバーでも道路からの視線はさほど気になりません。この家は私の自宅兼事務所ですが、日中はリビングダイニングから中庭を望む掃き出し窓は一切カーテン等なしで、一体感ある空間で過ごしています。室内から中庭の緑が鮮やかに見え、中庭のウッドデッキまでが室内の延長のように感じられて、室内が実際の面積以上に広々と感じられます。 

中庭も日々のちょっとした休憩や、コーヒーブレイク、そして週末はバーベキューなど、頻繁に活用しています。

 

 

事例3(和泉の家)

南と西は隣家がせまっている敷地状況から、L字型平面の建物で南側の庭を囲いました。庭は道路のある東側に開かれていますが、道路側からの視線をカットするため高さ2m程度の板塀を配しました。

 

朝日に照らされた樹木を眺めながら吹き抜けのダイニングで朝食をとる・・・そんな生活のワンシーンも楽しめるお家です。

 

 

 

事例4(荏田東の家)

西側は隣家がせまっている敷地状況から、南西側に少々突き出たL字型平面の建物を配置し、南~南東側に開かれた庭を形成しました。道路からの視線をカットするため高さ2m程の板塀を配置しています。

 

板塀のすぐ内側までウッドデッキを配置しており、ウッドデッキは(室内の床高に合わせて)周辺地盤面より0.5mほど高くしていますので、ウッドデッキに立つと板塀は1.5mほどの高さに感じられます。これにより「内側から板塀まで近づけば外の様子も見て取れる」という関係になっています。

 

 

事例5(本郷町の家)

南西側は隣家がせまっている敷地状況から、道路のある南東側全面に幅のある庭を配し、道路からの視線をカットするため高さ2m程の板塀を配しました。この板塀の北端コーナー部は仕上げを変えて白壁とし、アプローチ導入部の雰囲気づくりとしています。

中庭と室内(リビング・ダイニング)は幅広の窓でつながり、一体感のある空間となっています。

 

 

 

以上、「中庭のある家」として5つの事例をご紹介しました。

 

住宅のデザインの第一歩は敷地状況の読み取りから始まります。特に「プライバシーと開放性を両立する」という課題に対しては、敷地によっても、住まい手の暮らしぶりや感覚によっても、様々な異なる解決が求められます。本コラムでご紹介したような「中庭のある家」という手法ひとつとっても、様々なデザインがあります。

「建物内部から外構まで、敷地全体を一体的にデザインする」・・・これが、プライバシーと開放性を両立するために、私が日ごろ設計で大切にしている基本姿勢です。

 

 

 

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開放感を保ちながら、プライバシーを守る家

 

 

 

新井崇文
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